科目名 | 教員名 |
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演習1(2) | 野村一夫 |
開講詳細
開講キャンパス | 開講時期 | 曜日 | 時限 | 開講学年 | 単位数 |
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渋谷 | 後期 | 土曜 | 3時限 | 2 | 2 |
講義概要
授業のテーマ
トランスメディア環境におけるクリエイティブの条件
授業の内容
今年から野村ゼミは第2章に入る。従来はメディア文化論をテーマにサブカル寄りに運営してきたが、今年からクリエイティブ養成に特化して硬派路線に転じることにした。サブカルの対抗的文化意義は大きく変わり、今ではごく普通のことになっている。その陳腐さを超えたい。多様なメディアが情報の玉突きをするトランスメディア環境において、多彩な能力を発揮するプロデューサー的存在になるためのレッスンを主軸にする。
たとえばプロジェクトとかコーディネイトとかイベントなどと呼ばれる出来事を企画して、さまざまな人・物・組織・情報・お金をつなぐ人が求められている。「つなぐ人」がいなければ「飛騨の職人さん」も「一級建築士」も「コピーライター」も「カメラマン」も「アーチスト」も仕事にならない。この複雑な社会の中で、それらの人たちを出会わせる人たちが必要なのである。ちゃんと適切に「つなぐ人」が、多くの人びとや組織を創造的なネットワークに組み入れるのである。
「つなぐ人」に必要な知識と能力は何かをいっしょに考えよう。そして有能な「つなぐ人」を目指そう。つまり、君がメディアだ。
到達目標
(1)現在のトランスメディア環境について総合的に知識を学ぶ。ジャンルや技術の枠組みにとらわれない視野を獲得する。
(2)速攻で何でも作ってしまうクリエイターとして、いつも作品あるいはプロダクツを制作できる人になる。
(3)即興的に自在なコミュニケーションができる人になる。
(4)誰にも負けない読書力をつける。
(5)好きとか嫌いとかにとらわれない高いレベルの対話的知性をゼミに生み出す。
授業計画
第1回 | チームごとに自分の物語を語り合う。つまり語るだけではなくお互いに突っ込みを入れるレッスン。ゼミ生の人数によって長引く場合もありうる。
【準備学習 90 分】
⇒自分の物語を考えてくる。メモ程度の準備でいいが、20分は語れるようにしよう。
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第2回 | チームごとにマイ・フェイバリット・シングスを語り合う。趣味や好みは早めに出し切ろう。プレゼン環境はある。。iPhoneならHDMIでモニターに表示できる。AndroidやパソコンもHDMI端子に接続できるアダプターを用意すること。
【準備学習 90 分】
⇒自分の趣味的領域についてメモ程度の準備をする。同時に見せられるものなどがあれば用意する。
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第3回 | チームごとにラジオトークを収録する。
【準備学習 90 分】
⇒自分のメインテーマを整理しておく。メモ程度でよい。
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第4回 | Facebookのレッスン。その他のSNSとクラウドサービスのレッスン。これらはチーム単位でおこなう。
【準備学習 90 分】
⇒ゼミ内で公開できるアカウントを用意すること。
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第5回 | ブックレビューのレッスン。チームで1冊を分担してプレゼンに備える。
【準備学習 90 分】
⇒SNSとクラウドサービスを使ってみて慣れること。
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第6回 | ブックレビューのプレゼン大会。
【準備学習 600 分】
⇒課題図書の分担部分を読み、チームで共有する。その上でプレゼン向けのパワポなどを制作する。打ち合わせなどはSNSでやるか研究室でやるとよい。
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第7回 | ブックレビューによる新書制作(1)チームで回し読みして提出。
【準備学習 600 分】
⇒完成原稿を書く。文体や書き方は事前に統一する。
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第8回 | ブックレビューによる新書制作(2)トッパンエディナビを使用してチームごとに入力する。
【準備学習 90 分】
⇒個人執筆ではなく共同執筆にするため、チームで原稿の調整が必要。
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第9回 | ゼミ企画会議。後半のプロジェクトを起案する。プロダクツ(作品)は何でもよいが、トランスメディア的作品とする。どういうことかについては説明する。
【準備学習 300 分】
⇒各自、企画を考えてくる。企画書あるいはプレゼンで提案できるようにする。
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第10回 | 新書の完成。オンデマンド印刷したのが到着するので、それについて反省的に語り合う。企画会議の続き。
【準備学習 90 分】
⇒企画の練り込みをする。
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第11回 | 企画会議。テーマを決定して、具体的準備に入る。チーム設定、ToDoリスト、手順、スケジュールなどを決める。
【準備学習 90 分】
⇒企画の練り込みをする。
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第12回 | 企画プロジェクト制作(1)
【準備学習 900 分】
⇒具体的制作に必要なものを用意する。
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第13回 | 企画プロジェクト制作(2)
【準備学習 900 分】
⇒きっと何かを集中的にやっているはず。
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第14回 | 企画プロジェクト制作(3)仕上げ。
【準備学習 900 分】
⇒あとがないので、とにかく間に合わせる。
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第15回 | プレゼン大会。作品鑑賞。振り返り。
【準備学習 90 分】
⇒プレゼンの準備。
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受講に関するアドバイス
2年生後期は土曜日の3時限目にゼミが設定されている。3年生4年生はウイークデーになると思うが2年生のうちは「土曜日だから遊びたい」ではなく「土曜日だから勉強したい」くらいの「自分のレベルを高めたい」という気持ちで受講してほしい。作品制作を主軸にするので、この時間枠だけでは収まらないはずである。ゼミの前後は空けておいてほしい。とは言うものの、いわゆる「お勉強」スタイルではなく、チームでの作品制作というスタイルでの学びになるので、それなりの充実感は得られるはずである。アクティブラーニングが楽しかったという人は是非!
成績評価の方法・基準
評価方法 | 割合 | 評価基準 |
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平常点 | 100% | 作品制作・プロジェクト制作への参加と貢献度によって評価する。 |
※すべての授業に出席することが原則であり、出席自体を加点の対象とすることはできません。
注意事項 | 全回出席が大前提。ゼミの現場は土曜3時限目だけとはかぎらない。いつでも応答することを求めたい。私もいつでも応答するつもりである。 |
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※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。
教科書・参考文献等
教科書
アビー・コバート『今日からはじめる情報設計』BNN、2015年。
花村太郎『知的トレーニングの技術』ちくま学芸文庫、2015年。
ヘンドリー・ウェイジンガーほか『プレッシャーなんてこわくない』早川書房、2015年。
キャシー・サリット『パフォーマンス・ブレークスルー』徳間書店、2016年。
チップ・ハースほか『アイデアのちから』日経BP社、2008年。
江崎浩『インターネット・バイ・デザイン』東京大学出版会、2016年。
ナンシー・デュアルテ『ザ・プレゼンテーション』ダイヤモンド社、2012年。
『標準編集必携 第2版』日本エディタースクール、2002年。
スティーブン・デスーザほか『「無知」の技法』日本実業出版社、2015年。
アンドリュー・ニューバーグほか『心をつなげる』東洋出版、2014年。
イタマール・サイモンソンほか『ウソはバレる』ダイヤモンド社、2016年。
タイラー・コーエン『インセンティブ』日経BP社、2009年。
参考文献
書名 | 著者名 | 出版社 | 備考 | K-aiser |
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世界の言語入門 | 黒田龍之介 | 講談社 | 講談社現代新書 | |
多言語学習の練習帖 | 浜田邦裕 | 世界思想社 | ||
異文化理解力 | エリン・メイヤー | 英治出版 | ||
コンテキストの時代 | ロバート・スコーブルほか | 日経BP社 | ||
僕たちは「新しい技術」で生き残る | dots. | 日本実業出版社 | ||
〈インターネット〉の次に来るもの | ケヴィン・ケリー | NHK出版 | ||
未来化する社会 | アレックス・ロス | ハーバーコリンズ・ジャパン | ||
「戦略」大全 | マックス・マキューン | 大和書房 | ||
ダイアローグ | デヴィッド・ボーム | 英治出版 | ||
HARD THINGS | ベン・ホロウィッツ | 日経BP社 |
参考文献コメント
企画に応じて参考文献を探してくることになる。自分たちで探すのだ。
教科書・参考文献として挙げた文献はアカデミックなものではなくビジネススキルに関する入門書である。これらを読んで「クリエイティブ・マインドセット」を自分の中とゼミの中に構築してほしい。これは切なる願い。
参考になるウェブページ
私のネット活動と著作を随時参照すること。私を見るのではなく、私が見ているものを見よ。
20世紀の社会学系のお仕事 http://www.socius.jp
現在進行形で私が見ているもの考えていること http://fb.me/nomurakazuo
大学教育について考えていること http://fb.me/sociorium
FB中心になる前のブログ http://www.nomurakazuo.jp
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火曜日・水曜日・土曜日の2時限目から4時限目まで。事前に連絡していただければ対応します。