以下の文章は、野村一夫『未熟者の天下』(青春新書インテリジェンス、2005年)として出版された大人論の最初の草稿である。電子書籍化されてはいるが、日本仕様のため、ほとんど読まれることがない。最近、学生たちと長話をしたり指導したりする中で、このような大人の人生論のような話を頻繁にするので、かれら彼女らのために草稿の全編を公開することにした。新書は、編集者との共同作業によって成立するものであり、とりわけタイトルと見出しについては編集部がすべて付け直すものである。したがって、それらの公開は私の一存ではできない。なので、最初の草稿をそのまま公開する。完成形の本を読みたいという方は古本で探していただきたい。私自身も数冊しか所有していない。
野村一夫『未熟者の天下』細目次
第一章 「大人になれない」という合い言葉
第二章 フィクションとしての大人
第三章 大人問題としての過去の呪縛
第四章 リスク社会と信頼のネットワーキング
第五章 消費文化の主役になる
第六章 大人はクールに批評する
第七章 大人の宿題、大人という宿題